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小児矯正 / 成人矯正

「八重歯は可愛い」は日本だけ?矯正費用や期間は?

「八重歯はチャームポイントだから…」と矯正治療をためらっていませんか?

実は八重歯を放置すると、虫歯や歯周病、顎関節症のリスクが高まることも。

さらに、噛み合わせが悪くなることで、頭痛や肩こり、消化不良などの全身症状を引き起こす可能性も潜んでいます。

今日は、八重歯の矯正治療が必要な理由から、治療方法、費用、期間、注意点まで、歯科医師が詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで、安心して矯正治療に臨みましょう。

八重歯は矯正治療が必要?

八重歯は、日本では「チャームポイント」として捉えられることもありますが、これは独特の見られ方のようです。

実際には歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼしていることがあり、世界的に見ると、「八重歯は可愛らしい」というイメージはありません。

そのため、口内環境や健康面を考慮すると、矯正治療が必要となるケースが多いです。

そもそも八重歯はどうしてできる?

八重歯は、正式には「叢生(そうせい)」と呼ばれ、歯が生えるスペースが不足しているために起こります。

永久歯は乳歯よりも大きく、顎の骨の大きさに対して歯が大きすぎる場合や、歯の本数がもともと多い場合などに、歯が正常な位置に生えてこられず、ずらりと並んでしまうのです。

また、遺伝や生活習慣も関係しています。両親が八重歯の場合、子供も八重歯になりやすい傾向があります。また、幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖なども、歯並びに影響を与え、八重歯の原因となることがあります。

八重歯を放置することで起こるリスク

八重歯を放置すると、見た目の問題だけでなく、様々なリスクがあります。

1. 虫歯や歯周病のリスク増加

八重歯は歯ブラシが届きにくいため、歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯周病は、歯茎の炎症や歯を支える骨の破壊を引き起こし、最終的には歯を失ってしまう可能性もある病気です。

2. 噛み合わせが悪化する

八重歯があると、上下の歯が正しく噛み合わず、噛み合わせが悪くなります。噛み合わせが悪いと、食べ物をうまく噛み砕くことができず、消化不良の原因になることがあります。また、顎関節症のリスクも高まります。

3. 発音障害のリスク

歯並びは発音にも影響を与えるため、八重歯によって発音が不明瞭になることがあります。特に、サ行やタ行の発音がしにくくなる傾向があります。

4. 口内炎ができやすくなる

八重歯が頬の内側に当たってしまい、口内炎を繰り返してしまうことがあります。

5. 心理的な影響

八重歯によって見た目にコンプレックスを感じ、自分に自信が持てなくなることがあります。特に、思春期には、周囲の視線が気になり、精神的なストレスを抱えてしまう場合もあるでしょう。

これらのリスクを考慮すると、八重歯は放置せずに、矯正治療を受けることが大切です。早期に治療を開始することで、より短期間で美しい歯並びを手に入れることができます。

八重歯の矯正治療方法

八重歯を矯正するためには、歯の状態や原因を知ることで治療法は異なってきます。顎が小さく歯が並ぶスペースがない場合はスペースを確保する必要がありますし、他の歯が本来八重歯が入るべきスペースに移動してきてしまっている場合には、その歯を動かすことで八重歯を咬み合わせ上正しい位置に動かせる場合もあります。ご自身の場合はどんな矯正治療の選択肢があるのか、部分的な歯列矯正で治るのか、全体的な歯列矯正が必要なのか、歯を少し削ってスペースを作る、もしくは抜歯も必要な歯列矯正が必要なのか等、担当の歯科医師や矯正医の診断を受ける必要があります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を歯に装着することで、歯を少しずつ動かしていく方法です。ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすい点がメリットです。事前に口腔内スキャナー(iTero)を撮ってシミュレーションができるため治療終了までの予測も立てやすいです。ただし、装着時間を守らなければ歯が動かなくなって治療期間が延びたり、全ての症例に対応できなかったりするのがデメリットです。また、飲食のたびに歯を磨く必要もあります。

ワイヤー矯正(ブラケット矯正)

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく方法です。マウスピース型矯正装置が台頭するまではほとんどの歯列矯正はワイヤー矯正で行われていたため歴史が長く、症例数も多いため、複雑な歯並びにも対応できる点がメリットと言えます。ワイヤーが歯列に固定されているため取り外しの必要がなく、矯正器具を付け忘れることもありません。デメリットは、矯正装置が目立ちやすくい、ワイヤーを変えた日などは痛みが出やすい、歯磨きに時間がかかりワイヤー矯正に適した道具が必要、月1回は通院が必要、等の点が挙げられます。

小児矯正

お子様向けの矯正で、顎の発育を促し、歯が並ぶスペースを作ることで良好な咬み合わせを作り、八重歯などの不正咬合にならないようにします。大人になってから歯列矯正する場合に抜歯が必要な症例でも小児の時期に矯正を行うことで抜歯のリスクを減らすことができます。但し、お子様の顎の成長の予測は身長を予測するのと同じく難しいため、予想とは異なる場合があります。治療期間や計画の変更が必要な場合があります。当院では、お子様の年齢や成長に合わせて段階的に治療できるように、下記の種類の矯正方法を行っております。

予防矯正

矯正専門の歯科医院と連携し、専門医が監修した治療計画で治療を進めるため、審美面だけでなく機能面まで正確に診断した矯正治療を行っております。また、理学療法士指導・監修によるピラティスを用いた姿勢改善プログラムを導入しているため、小児期からの早期介入により顎顔面の正しい発達とアライメント調整を行うことが可能です。個々に合わせてエクササイズを進めて、後戻りしない、正しい歯列を獲得するために背骨と骨盤の動きを中心とした全身運動のエクササイズを行います。注意点としては、歯の移動に伴って大なり小なりの歯根尖部の変化や歯肉退縮が起こる可能性や、歯面の白濁とう蝕の可能性があります。

インビザラインファースト

乳歯と永久歯が混在する混合歯列期から適用できます。お子様の歯並びやお口の成長段階に合わせて、矯正装置をカスタマイズすることが可能です。予防矯正と比べ、インビザラインファーストは痛みが少ないというメリットがあります。装着時の快適さや身体にかかる負担を軽減でき、お子様のストレスになりにくい矯正治療が期待できます。注意点としては、マウスピース矯正と同様の治療方法になるため、矯正装置を外している時間が長いと治療効果を十分に得られないためお子様自身や親御さんによる管理が必要です。

八重歯の矯正治療にかかる費用

矯正治療の費用は、主に使用する装置や治療の難易度によって異なります。当院での矯正方法と費用は以下の通りです。詳しくは料金表をご覧ください。

矯正方法 費用 特徴
マウスピース矯正(インビザライン) 328,900円〜1,050,500円 透明なマウスピース型の装置を用いて歯を動かす、審美性に優れた矯正方法取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすい
ワイヤー矯正(ブラケット矯正) 704,000円〜1,012,000円 金属製のブラケットとワイヤーを用いて歯を動かす、一般的な矯正方法費用は比較的安価だが、見た目が目立ちやすい
予防矯正(小児矯正) 429,000円 取り外し可能な機能的矯正装置を使って、舌の正しい位置や口呼吸の改善を行いながら歯列を整える。
インビザラインファースト 495,000円 マウスピース矯正同様、透明なマウスピース型の装置を用いて歯を動かす、審美性に優れた矯正方法取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすい

※検査料金が別途かかります。

※矯正の治療方法によって、オプション料金や調整料などが別途かかります。

どの治療方法を選択するにしても、それぞれに特徴とメリットやデメリットが存在しますし、費用も変わってきます。八重歯の治療とはいえ八重歯だけを動かし矯正をするのではなく、全体的な咬み合わせなど口腔内の環境を考えて関係する歯を動かす必要があります。ご自身の希望と歯科医師や矯正医の診断の中でよく相談してどの歯列矯正で進めるかを選択してください。

当院は、現金払いやクレジットカード払い以外にも、デンタルローンの取り扱いもありますので、支払方法についてのご相談にも対応可能です。また、矯正治療は一定の条件を満たせば医療費控除の対象となります。医療費控除を受けることで、所得税の一部が還付される可能性があります。確定申告の際に、医療費控除の申請手続きを行いましょう。詳細は国税庁のウェブサイトをご確認ください。矯正治療にかかる費用は高額になる場合がありますが、当院ではデンタルローンやクレジット払い方法についても対応しております。詳しくは担当者に気軽にご相談ください。

八重歯の矯正治療期間

八重歯の矯正治療は、歯の状態や治療方法によって期間が大きく異なります。一般的には、2~3年程度かかることが多いですが、症例によっては1年以内で終わる場合もあれば、4年以上かかる場合もあります。治療期間が長引けばそれだけ費用もかさむため、治療前に大まかな期間を知っておくことは重要です。

矯正方法による治療期間の違い

矯正方法 治療期間の目安 通院回数
マウスピース矯正(インビザライン) 1~5年 1~2ヶ月に1回
ワイヤー矯正(ブラケット矯正) 2~5年 月1回 (木曜日午後、第3土曜日)
予防矯正(小児矯正) 2~3年 1ヶ月に1回
インビザラインファースト(小児矯正) 1~2年 1~2ヶ月に1回

一般的に、ワイヤー矯正の方がマウスピース矯正よりも治療期間が長くなる傾向があります。これは、ワイヤー矯正の方が歯を動かす力が強く、複雑な歯の動きにも対応できるためです。一方、マウスピース矯正は、比較的軽度の歯並びの改善に適しており、治療期間も短縮できます。ただし、マウスピース矯正は患者自身が決められた時間装着する必要があり、装着時間が短いと治療期間が延びてしまう可能性があります。

治療期間が延びてしまうケース

八重歯の矯正治療期間は、以下の様なケースで延びてしまう可能性があります。

  • 歯の根が長い、歯根吸収が多い場合:
    歯の根が長い場合や、歯根吸収が多い場合は、歯を動かすのに時間がかかるため、治療期間が長くなることがあります。歯根吸収とは、矯正治療によって歯の根が溶けてしまうことを指し、歯周病などによって起こりやすくなります。矯正治療前に歯周病の治療をしておくことが重要です。
  • 顎の骨格に問題がある場合:
    顎の骨格に問題がある場合は、歯並びだけでなく、顎の位置も矯正する必要があるため、治療期間が長くなることがあります。このような場合は、外科手術を併用するケースもあります。外科手術を併用する場合は、事前にしっかりと歯科医師に相談しリスクや費用について理解しておくことが重要です。
  • 年齢が高い場合:
    一般的に、年齢を重ねると歯の動きが遅くなるため、治療期間が長くなる傾向があります。しかし、近年では、大人になってからの矯正治療も一般的になっており、年齢を重ねていても矯正治療が可能なケースが増えています。
  • 治療への協力が得られない場合:
    矯正治療は、患者自身の協力が不可欠です。マウスピース矯正の場合、決められた時間マウスピースを装着していないと、治療効果が得られず、治療期間が延びてしまう可能性があります。また、ワイヤー矯正の場合でも、定期的な通院や、医師の指示に従ったブラッシングなどのセルフケアが重要です。

治療の注意点

矯正治療中は、装置の装着や歯の移動に伴い、痛みや違和感を感じることがあります。また、虫歯や歯周病のリスクも高くなるため、注意が必要です。治療中の注意点としては、以下の点が挙げられます。

1. 歯磨きの徹底

矯正装置を装着していると、歯磨きが難しくなり、食べカスが残りやすくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。毎食後、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使って、丁寧に歯磨きをしましょう。矯正装置の清掃方法についても、歯科医師や歯科衛生士から指導を受けましょう。

2. 食事の際の注意

矯正装置を装着していると、硬いものや粘着性のあるものを食べると、装置が外れたり、破損したりする可能性があります。硬いものは小さく切ってから食べ、粘着性のあるものはなるべく控えるようにしましょう。また、着色しやすい飲食物を摂取すると、矯正装置が変色することがあります。特に、カレーやコーヒー、赤ワインなどは注意が必要です。

3. 定期的な通院

矯正治療中は、定期的にクリニックに通い、装置の調整や歯の動きのチェックを受ける必要があります。指定された通院日時は必ず守り、問題が生じた場合は、すぐにクリニックに連絡しましょう。

後戻りを防ぐために

矯正治療によって歯並びが改善しても、治療後、元の歯並びに戻ってしまうことがあります。これを後戻りといいます。後戻りを防ぐためには、保定装置の使用と定期的な検診が重要です。

1. 保定装置の使用

保定装置とは、矯正治療によって移動した歯を、新しい位置に安定させるための装置です。矯正装置を外した後も、指示された期間は必ず保定装置を装着しましょう。保定装置には、取り外し式の装置と、歯の裏側に固定する装置があります。歯科医師の指示に従って、適切な装置を使用しましょう。

2. 定期的な検診

保定期間が終了した後も、定期的に歯科医院を受診し、歯並びや噛み合わせのチェックを受けましょう。後戻りの兆候があれば、早期に対応することで、歯並びを維持することができます。また、虫歯や歯周病のチェックも合わせて行うことで、お口の健康を保ちましょう。

八重歯の矯正治療まとめ

八重歯は見た目の可愛らしさからチャームポイントとして捉えられることもありますが、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。

放置すると虫歯や歯周病、顎関節症のリスクが高まるだけでなく、発音や咀嚼にも影響が出ることも。

矯正治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などがあり、費用や治療期間は選ぶ方法によって異なります。

当院は、患者様の口腔内の現状や歯並びの様子を事前にご説明し、矯正治療を通じて歯並びがどのように変化するかに関して、シミュレーション画像をご確認いただけます。歯が動く様子を時系列に沿って確認でき、矯正治療へのイメージが湧きやすく、安心して治療を開始することができます。

一人ひとりに適した治療計画の作成は、豊富な経験と専門知識を持つ歯科医師が担当し、適切な矯正治療の提供を徹底しております。

八幡 裕子

八幡歯科医院

監修:医療法人八幡歯科医院 理事長 八幡裕子
特徴:むし歯治療・歯周病治療・口腔外科・矯正(マウスピース矯正、ワイヤー矯正)・小児矯正・インプラント・審美歯科・予防歯科・ホワイトニング・義歯(入れ歯)・周術期口腔ケア・訪問診療まで対応した総合歯科
住所:徳島県阿南市羽ノ浦町宮倉日開元19-18
※阿南市、小松島市、徳島市、勝浦町、那賀町、美波町、海陽町などから多くの患者様が診察・診療に通われております。

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