メタルフリー治療
(セラミック治療)

もっと、歯の話をしよう。

金属を使用しない「メタルフリー治療」

メタルフリー治療とは、その名の通り金属を使わない治療のことですが、その効果として「アレルギーの心配がない」「汚れがつきにくい」など、利点は多く存在します。
歯の治療は、保険治療を選択した場合銀色の歯になることがほとんどです。
もちろん、保険のルールで定められた範囲内で治療はできますし、きちんとメインテナンスを行っていればある程度の期間は使えます。
しかし、全身の健康や長期的な生活を考慮するとデメリットであることは否定できないのです。

こんなお悩みはありませんか

過去に入れた銀歯を白くしたい 金属アレルギーが心配 銀歯で歯ぐきが黒ずんでいる 身体に優しい素材がいい 違和感のない白い歯がいい 金属の味がすることがある
過去に入れた銀歯を白くしたい 金属アレルギーが心配 銀歯で歯ぐきが黒ずんでいる 身体に優しい素材がいい 違和感のない白い歯がいい 金属の味がすることがある

お口の中の金属が、体調不良の原因であることも…

金属アレルギーによって、引き起こされる主な症状

湿疹、かぶれ

ある特定のアレルゲン物質に触れたり、同じ部分を何度もこすったりすることで引き起こされる皮膚疾患を接触性皮膚炎と呼びます。皮膚の赤みや強い痒みを生じるのが特徴です。

円形脱毛

頭髪が一部あるいは複数箇所にわたって円状に失われる疾患です。多くのケースでは10円硬貨程度の大きさで発症します。症状によってはまつ毛、眉毛にまで広がることもあります。

アトピー性皮膚炎

皮膚の湿疹が痒みと共に繰り返し発症し、その状態が長期にわたって改善したり悪化したりする疾患です。

口腔内の異常

口内炎や舌炎といった疾患が起こります。他にも、口腔の粘膜が赤くなったり、乾燥したり、舌に亀裂が入ったりすることがあります。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症は、手や足の裏部分に小さな水泡やかさぶたのようなものが発生する疾患です。

参考文献:歯科金属アレルギーの現状と要望:日本補綴歯科学会誌 秋葉ら:2016,8-4,

銀歯に含まれるさまざまな材質

銀歯と一般に呼ばれるものは、銀だけでなく、他の多種多様な金属も含まれています。これには、パラジウム、金、銅、イリジウム、インジウムなどが含まれます。なかでも特に気をつけるべきなのは金属アレルギーの原因となりやすいパラジウムです。
金属アレルギーのテストでは、参加者の約半分が陽性反応を示す結果が出ています。そのためドイツなどヨーロッパ各国では、幼児や妊娠中の女性に対して銅を含むパラジウム合金や水銀・銀アマルガム合金の使用を控えるよう勧告が出されています。しかし、日本ではまだ保険診療の材料として用いられている状況です。

歯科で使用する金属のうち、ほとんどが金属アレルギーに対するアレルゲンとなり得るものがほとんどです。
金属アレルギー患者比率 水銀:33.6%、コバルト:32.7%、ニッケル:32.7%、クロム:30%、パラジウム:18.7%、白金:15%、金:5.6%
パッチテストの結果でアレルゲンと同定された金属元素が,口腔内から検出された元素と少なくとも一種類以上一致した患者数は全体の63.6%

参考文献:浜野英也ら(1998)金属アレルギーと口腔内修復物の成分組成に関する調査 口腔病学会雑誌 65(1):93-99

CADCAM冠による弊害やリスクについて

「歯を保険で白くしたい」「保険を利用して古い銀歯を取り除きたい」といったご要望を、最近当院でも多く聞きます。確かに、費用を抑えて歯を白くすることができるなら、非常に素晴らしいことです。しかし、保険適用のプラスチック製の白い歯、つまり「CADCAM冠」には注意が必要です。なぜなら、CADCAM冠は金属製の冠に比べて強度が劣るため、破損する可能性が高くなります。また長期的な影響を評価するための十分なデータがまだ存在しません。そのため当院では一概には推奨していません。

現在保険では前から4番目と5番目そして条件付きで6番目の歯のみ、CADCAM冠という白い歯を入れることができますが、色は単調で変色しやすく、強度も弱く外れやすいというデメリットもあります)

金属アレルギーによって、引き起こされる主な症状

単調な色

CADCAM冠は色を選ぶことができず、単調なので、周りの歯との違和感が出やすい

変色しやすい

プラスチックが混ざっていることから吸水性があります。そのため経年劣化により、内部の変色が生じやすいのがデメリットです。

摩耗しやすい

金属やセラミックなどに比べると耐久性に難があります。そのため強く噛む傾向がある方の場合は、素材のすり減るスピードが早い傾向にあります。

参考文献:保険診療に導入された「CAD/CAM 冠」の初期 経過に関する調査研究:日本デジタル歯科学会誌 2015; 5:85–94、CAD/CAM レジンクラウンの2年間の臨床経過観察:日本補綴歯科学会誌:2017年9巻2号 p. 137-144)

参考文献:(新谷ら:CAD/CAM冠の現状と将来展望:日本補綴歯科学会誌 2017年9巻1号 p. 1-15)

金属アレルギーと皮膚疾患

皮膚疾患の中にはお口の中のトラブルと密接に関係している場合があります。
当院では金属除去だけではなく、以下のような原因による皮膚疾患の治療に寄与し、皮膚科クリニックとの連携をもって患者様をサポートしていきたいと思います。
※歯科金属による皮膚粘膜疾患の症例は増加しつつあると言われている。

歯科治療が有効と言われている皮膚疾患と原因

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)・肉芽腫性口唇炎(にくげしゅせいこうしんえん)等

歯性感染症が関与している疑いがあります。

接触性口内炎・全身型金属アレルギーによる異汗性湿疹等

治療用金属(金銀パラジウム合金)に対するアレルギーが関与している疑いがあります。

天疱瘡(てんぽうそう)・扁平苔癬(へんぺいたいせん)等

むし歯治療や歯性感染症を併発している可能性が高く、口腔感染症の診断も必要といえます。

参考文献:浜野英也(1992)歯科用金属の生体に与える影響に関する基礎的研究 口腔病学会雑誌 59(2) :456-478

金属アレルギーの改善・予防方法

金属を含んだ材料での
歯科治療を避ける
具体的にはコンポジットレジンやセラミック治療を選択し、金属を全く使用しないメタルフリー治療を行います。
今は保険適用の非金属材料もあり、広く選ぶことができるようになりました。
むし歯や歯周病にならないよう
口腔ケアを徹底する

体内に吸収された金属によって発症するアレルギー反応で、発症まで時間がかかるので原因に気が付かずに症状に悩んでいる方が多いです。

むし歯が出来てしまうと事前治癒が見込めないために、症状に合わせた治療が必要になってきます。金属アレルギーの方、もしくは予防したい方にはセラミック治療をおすすめいたします。 当院の予防メインテナンスは、歯周病の検査やむし歯チェックを行い、専門家によるお口のクリーニングをさせていただきます。その後、検査結果をもとに普段の口腔ケアのアドバイスなどを行っています。

当院は皮膚クリニックとの連携を行い、
お口だけでなく皮膚疾患のサポートも行っています

当院では、患者様のむし歯治療においては、できるだけ金属を使わない治療方法を推奨しているだけでなく、皮膚クリニックとの連携を行っているため、身体の健康にも気を配って治療を行っています。

医科連携

セラミックスを用いた
メタルフリー治療

アレルギー症状のない方にも
将来のためにメタルフリー治療を推奨しています

メタルフリー治療で主に使用する素材は、見た目が自然で美しいセラミック材料です。審美性に加えて、経年劣化が起きにくい、むし歯の再発リスクが最小限などさまざまな利点があります。当院では患者様の将来も見据えて、現在アレルギー症状がない方に対しても、金属を使用しないメタルフリー治療をお勧めしています。

こんな方におすすめです

  • 昔に治した銀歯がまだ入っている方
  • 2次むし歯を極力避けたい方
  • アレルギー症状が心配な方
  • 高価なものだと諦めていた方
  • 長く良い状態を保ちたい方
  • 当院で扱っている補綴物

    オールセラミックセラミック

    金属を使わず、すべてセラミック素材で作製されています。そのため、透明感が高く自然な色合いを演出できるのがメリットです。ただし、強い衝撃がかかると、欠けたり割れたりするリスクがあるため、症例によっては使うことができません。

    ジルコニア

    ジルコニアは、天然歯とほとんど変わらない硬さを持っています。また、長期間使用しても、変色しづらく傷がつきにくい傾向にあります。そのため定期的なメインテナンスを怠らなければ、口腔内を清潔な状態にキープ可能です。

    症例紹介

    Before

    After

    主訴銀歯を白に変えたい
    年齢・性別50歳・女性
    治療期間・回数1ヶ月・3回
    治療方法6┬6セラミックインレー、┌7CR
    費用6┐ 51,700円(税込)
    ┌6 51,700円(税込)
    ┌7 340円(保険3割負担)
    デメリット・注意点強い力・衝撃により破損・脱離することがある。
    金属を使用する場合に比べ、歯を削る量が多いことがある。
    歯みがきが悪いとむし歯が再発することがある。

    セラミック治療の注意点

    • 自費治療になるため、保険診療に比べ費用が掛かります。
    • セラミックインレーは強い衝撃で破折・破損してしまうことがあります。
    • セラミックインレーは奥歯のように噛む力が特に強い歯には使用が難しくなります。
    • セラミックインレーは強度を保つために、銀歯に比べると歯を削る量がやや多くなります。
    • ジルコニアは2重構造でクラウンに厚みが出るため、歯を削る量が多くなる場合があります。
    • ジルコニアは調整が難しく、割れた場合は再治療が必要になる場合があります。

    よくある質問

    金属アレルギーの検査はできますか?
    歯科医院では金属アレルギーのテストに対応していません。基本的には皮膚科で受けていただく検査です。もしすでにかかりつけの皮膚科がある場合は、検査ができるかどうかをお問い合わせしていただくのが一番確実です。当院からの紹介状をご希望の場合も対応いたします。金属アレルギーが確認された場合、適切な薬を処方していただくなど、皮膚科と連携して歯科治療を行います。
    かなり前に銀歯を入れたのですが、最近アレルギーの症状が出てきました。
    銀歯が原因でしょうか?
    その可能性は否定できません。金属アレルギーが厄介なのはすぐに症状が発生しないケースもあることです。特に口内に金属がある場合は、時間が経過するにつれて、少しずつ溶け出した金属が体内に取り込まれていきます。そして、許容量を超えた段階でアレルギー反応が発生するケースも見られます。患者様によっては数ヶ月や数年経過した後にアレルギー症状が出ることもあるのです。

    この記事の編集・責任者は歯科医師:瀧下 潔です。

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