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インプラントの寿命は何年? 長持ちする人の共通点
「インプラントってどれくらいもつの?」 治療前の相談で、患者さんからよく聞かれる質問のひとつです。
歯科治療の中でも高額に感じるでインプラントに対して、
「もしすぐにダメになったらどうしよう」「失敗したら後悔しそう」といった不安の声を耳にすることがあります。
SNSや検索結果にある「インプラント 失敗」「インプラント 後悔」といったワードが、こうした不安を強めているかもしれません。
実際、インプラントは正しく行えば長期的に機能する治療法ですが、リスクや注意点を理解せずに治療を始めてしまったことで「こんなはずじゃなかった」と感じるケースがあるのも事実です。
本記事では、そうした「不安」や「後悔」の原因を明らかにしながら、インプラントの寿命に関する最新のエビデンスと、後悔しないためのポイント、そして将来の健康にもつながる治療方針についてお伝えします💡
インプラントは10年以上機能する可能性が高い治療法です

近年の研究により、インプラントは長期的に安定して機能することが明らかになっています。
2019年に発表されたシステマティックレビューでは、**10年後のインプラント生存率は平均96.4%(感度分析で93.2%)**と報告されています(Richards et al., Journal of Dentistry, 2019)。
また、10年以上経過した大規模コホート研究でも、以下のような生存率が示されています。
| 研究・症例 | 10年後の生存率 | 出典 |
|---|---|---|
| SLAインプラントの前向き研究 | 99.7% | Schulten et al., Clin Oral Implants Res, 2015 |
| 10,000本超の長期調査 | 96.8% | Levin et al., Clin Implant Dent Relat Res, 2021 |
| 骨造成を伴う即時埋入 | 91.8% | Covani et al., J Periodontol, 2012 |
これらの結果は、現在のインプラント治療が10年以上機能する可能性の高い治療法であることを示しています。
ただし、インプラントの寿命には個人差があります。骨の状態、生活習慣、口腔ケアの質、全身の健康状態、治療後の管理など、さまざまな要因が関与します。
そのため、インターネット上で「失敗した」「後悔した」と感じるケースが見られる背景には、以下のような要因が考えられます:
- 事前の説明が不十分で、治療後に想定していた結果と異なると感じた場合
- 治療後のメンテナンスを継続できず、インプラント周囲炎などの合併症を発症した場合
- 症例に対する適切な診断・計画が不十分であった場合
これらは必ずしも治療そのものの問題ではなく、診断・説明・管理のいずれかに課題があった可能性があるため、歯科医院ではこれらのリスクについて十分に説明したうえで、患者様の生活背景や状態に合った治療計画を立てています。
インプラントが長持ちする人の共通点
1. 定期的なメンテナンスを受けている
インプラントの長期的な健康を維持するには、プロフェッショナルによる定期的なメンテナンスが不可欠です。
2023年の文献レビューでは、定期メンテナンスを受けていない場合、インプラント周囲炎の発症率は16.7〜35.5%に達し、発症リスクが最大で5倍に増加すると報告されています(Monje et al., J Clin Periodontol, 2018)。
2. 自宅での口腔ケアが行き届いている
歯周病の既往歴やプラークコントロールの不良は、インプラント周囲炎の有意なリスク因子とされています(Wada et al., Jpn Dent Sci Rev, 2021)。適切なブラッシングやデンタルフロスの使用は、炎症予防に直結します。
当院でも個別リスクに応じて何を使えばいいか薦めるようにしています。
3. 喫煙・糖尿病などの全身的リスクが少ない
喫煙、糖尿病、高血糖などの全身的なリスク因子も、インプラントの生存率に影響すると複数の研究で示されています(Hashim et al., Curr Oral Health Rep, 2020)。
これらの要素を意識されている患者さまほど、インプラント治療後の状態が安定しやすく、長く快適に使えているという実感をお持ちです。
実際に、「もっと早く決断していればよかった」「自分の歯のようにしっかり噛めて本当に助かった」「見た目が自然で、人前でも笑えるようになった」など、前向きなお声を多く頂戴しています。
このように、納得できる結果を得るためには、治療を始める前に正確な情報を手に入れ、自分の希望やライフスタイルに寄り添った治療方針かどうかを主治医と確認してみてください。
当院では既往歴の管理と医科との連携(必ず診療情報提供書を、やり取りするようにしています)を行い、手術が安全にできることや長期的な予後が良好になるように、計画を立て、わかりやすく説明を致しますのでご安心ください。
インプラント寿命が延びたことによる健康上のメリットと注意点
メリット
- 咀嚼機能が長期間維持されることで、認知症やフレイルのリスク低下に寄与する可能性があります。Nitschkeら(2021年)の研究では、咀嚼能力が高い高齢者は認知機能が良好に保たれる傾向が示されています(J Oral Rehabil, 2021)。
- 良好な咀嚼により栄養状態が維持され、全身の健康管理に役立つとされています。とくにタンパク質の摂取量が確保されることにより、サルコペニアや低栄養の予防につながります。
- 「よく噛める」ことにより、食の楽しみや会話、外出などの社会活動が促され、QOL(生活の質)の維持に貢献する可能性もあります。
デメリット・注意点
- 食べられるものが増え、お食事の楽しみが増大します。一時的に血糖値の上昇や体重増加などが起こる場合があります。手術後も食事指導や定期管理のための外来へお越しいただきたいです。
- 高齢期に入ってからインプラントの破損や周囲炎が起きた場合、再治療が難しいケースもあるため、初期段階での適切な設計が重要です。
- 慢性疾患や加齢により、セルフケアの能力が低下することも想定されるため、支援体制を視野に入れた管理が必要です。当院では外来に通えなくなってからも訪問診療にて対応致します。
八幡歯科医院の方針:将来を見据えたインプラント治療を
八幡歯科では、インプラントを「入れて終わり」ではなく、「10年後・20年後の健康も支える」という視点で治療を行っています。
歯科用CTやマイクロスコープ、ガイド手術といった精密な設備を活用し、患者様の生活背景やお口の状態に合わせた丁寧な診断とカウンセリングを実施。
治療後も、予防歯科や医科歯科連携の体制のもとで1〜3ヶ月ごとの定期的なメンテナンスとリスク評価を行い、インプラントの長期安定と健康寿命の延伸をサポートしています。
また食べられるようになった後の食事指導にも力を入れて参ります(管理栄養士が在籍しています)。
つまり、八幡歯科医院で行うインプラント治療は、ただ“噛めるようにする”ことがゴールではありません。
インプラントの寿命をできるだけ長く保つことで、咀嚼機能の維持、栄養状態の安定、認知機能の低下予防など、人生後半の健康を守る土台となると考えています。
将来、寝たきりにならず、好きなものを食べて、会話や外出を楽しめる。そのような「健康でいきいきとした生活」を支えることが、私たちのめざすインプラント治療です。

まとめ ── インプラントの寿命は、治療後の行動で決まります
これまでの研究により、インプラントは10年以上の機能が期待できる治療法であることが明らかになっています。ただし、その成否は術後のメンテナンスとケアの質に大きく依存します。
治療の経過や予後には個人差がありますが、適切な管理を行えば長期間の機能が期待できます。
「せっかく治療したのにダメになったら…」という不安は、正しい知識と適切なサポートによって軽減できます。
八幡歯科医院では、患者様の不安に正面から向き合い、安心して長く使えるインプラント治療を提供しております。
八幡歯科医院
監修:医療法人八幡歯科医院 理事長 八幡裕子
特徴:むし歯治療・歯周病治療・口腔外科・矯正(マウスピース矯正、ワイヤー矯正)・小児矯正・インプラント・審美歯科・予防歯科・ホワイトニング・義歯(入れ歯)・周術期口腔ケア・訪問診療まで対応した総合歯科
住所:徳島県阿南市羽ノ浦町宮倉日開元19-18
※阿南市、小松島市、徳島市、勝浦町、那賀町、美波町、海陽町などから多くの患者様が診察・診療に通われております。


