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歯科衛生士のこども(中学生)の矯正体験|矯正してみたい!からはじまった次男のマウスピース矯正

歯科衛生士と母親の二つの視点からみる中学生の矯正

こんにちは。私は八幡歯科医院で歯科衛生士をしています、スタッフUです。

患者さんから「うちの子の歯並び、気になってて…」「矯正って実際どうなの?」と聞かれることも多いのですが、そんなとき、私は“衛生士”としての視点と、“母親”としての実体験、両方の立場からお話しするようにしています。

私は、2人の男の子の母でもあり、実はその2人ともがマウスピース矯正をしています。
今回は、「次男のマウスピース矯正」について、実際の様子や感じたことをお伝えしたいと思います。

「こどもにマウスピース矯正ってどうなの?」「ちゃんと続けられる?」
そんな疑問や不安をお持ちの方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

急に来た、矯正のタイミング。

きっかけは昨年12月、中学2年生の息子の「矯正したいな」という一言でした。
息子には前歯のすき間(歯間空隙)や、噛み合わせが深い(過蓋咬合)という特徴があります。

私はこれまで歯並びについて特に指摘したことはなかったのですが、
いつの間にか、口元を気にする気持ちが芽生えていたようです。

歯列矯正は、見た目の美しさだけでなく、将来的な口腔内の健康にも影響します。
親としても、子供が前向きにチャレンジできるタイミングを待っていました。

でも、中学生男児が、気にしているポイントって意外と分からないものです。

ほんとうに今やるべき?
正しく知ってから決めるが一番大切!

他のお母さんやお父さんと同じように、子どもなので続けられるかという不安もありました。

「マウスピースは、食事と歯みがきのとき以外は基本的にずっと着けておく必要があるけど、大丈夫かな?」と声をかけたり、
やる気をそがない程度に「矯正治療には覚悟が必要だよ?」と伝えたりしてきました。
最近はSNSで矯正について知る機会も多くあります。
しかし過剰な表現や誤った情報もあるため、正しい情報知り、こどもの矯正で起こりやすいトラブルについても理解しておくことが必要です。

・・・思春期のこどもってきちんと話をしようとしても、親が言う事ってあまりきかなかったりします。
まず、矯正について説明するのってとても大変なのに・・・

そんな時にぜひ利用してほしいのが、矯正カウンセリングです。
衛生士の目線で見ていると、第三者から説明を受けることで、
スムーズに進むことがあります。

実は、親の話もきいているけど、気恥ずかしさが邪魔をして
きちんと返事ができなかった。

聞きたいことがあったけど、聞けなかった。

そんなお子さんの想いにも寄り添い、丁寧に説明をしてくれます。

私は、このステップが中学生の矯正について一番重要だと思っています。

今、同じように矯正を考えている保護者の方がいたら──
「広告やキャンペーン情報」よりも、「正しく知ってから決める」ことを大事にしてほしいと思います。
下記に、こどもの矯正で失敗と感じるケースについてまとめました。

中学生の矯正で「失敗」と感じられるケースと背景

歯が予定通りに動かない
原因:装着時間不足、成長期の骨格変化
Invisalign First® Clinical Protocol においても1日20時間以上の装着が推奨されています(Align Technology社資料)。また、成長期では再スキャンや再設計が必要になることもあります(Janson G, et al. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2015)。

子どもが装着を嫌がる・続かない
原因:学校生活との両立が難しい、違和感、思春期の心理的要因
Barrow et al., Angle Orthodontist 2020 によると、装置へのモチベーションと治療成績に相関があるとされています。

治療途中での中断
原因:引っ越し、意欲低下、金銭的事情
Papageorgiou SN, et al. J Dent 2016 によると、成長期矯正では成人より中断率が高く、リスク説明が重要とされています。

仕上がりに不満が残る
原因:治療前の目標共有不足、アライナーの限界理解不足
Kravitz ND, et al. J Clin Orthod. 2009 にてアライナー治療の限界(特に回転や垂直的移動)について言及されています。

このように、矯正治療が「うまくいかなかった」と感じる背景には、
本人の年齢・ライフスタイル・心理状態・成長による変化など、さまざまな要因が関わっています。

しかし、事前に知っておくことで防げることも多いのです。
お子さんが安心して治療を受けられるよう、
私たちも“衛生士としての専門知識”と“母親としての実体験”の両方から、しっかりサポートしていきます。

え?矯正したくなかったの!?かきみだされる親心

本人はマウスピース矯正を希望していたため、インビザラインライト(アライナー14枚)で矯正をスタートすることになりました。

※こどもの矯正についてはこちらのリンクで詳しく解説しています【子どもの矯正

最初のうちは、痛みや違和感に戸惑うこともあったようです。
本人が想定していたよりも違和感があったようで、
長くつけることができない日もありました。

また、学校の行事がある時は、
「今日はマウスピースはめなくてもいい?」と、母である私に甘えてくることも。

そんな時は、安心してマウスピースを付けられるように一緒にかんがえることにしました。

学校での食事の時・体育の時・部活動のときどうするか?
お友達には言う?
どこで取り外しができるか?など・・・

それでも気分が乗らない時は、「始めたいって言ったときの気持ち、覚えてる?」と一緒に振り返りながら、本人の中にある前向きな気持ちを思い出せるようサポートしました。

生活に慣れてくると、マウスピースが変わった当日は違和感があるようですが、
自然となじんでくるにつれてストレスもなく過ごせているようです。

矯正治療は、誰かに勧められて始めてもなかなか続けるのが難しいもの。
だからこそ「自分でやりたい」と思う気持ちが何よりの原動力になるのだと、あらためて感じています。

親としてできることは限られていますが、
これからも、子ども自身の意志をそっと応援しながら寄り添っていきたいと思います。

4か月が経過時点での歯列の比較

まとめ

装着時間の管理や、学校での過ごし方、思春期ならではの心の揺れなど、
実際に始めてみて初めてわかる大変さがたくさんありました。
本人も、SNSの情報だけを鵜呑みにしていたら、きっと途中で「うまくいかない」と感じていたかもしれません。
今こうして息子が続けられているのは、治療の“リスク”も“限界”も、最初にきちんと知ることができていたからだと思います。
私自身、歯科の仕事に携わっていても、親としての立場になると見え方が変わるのだと気づきました。
そして、どんなに優れた治療でも「本人のやる気」「まわりのサポート」「正しい理解」が揃ってはじめて、うまくいくのだと実感しています。

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